はじめに

研究開発の現場では、市販の計測機器や制御機器では実現できない実験条件や計測手法が求められることが少なくありません。
「あと少し違う仕様があれば」「この信号だけ独自に取り出せれば」といったニーズに応えられず、研究の進展が制約されるケースも多く見られます。

しかし、既存の装置メーカーや汎用製品では、こうした特殊仕様に応えることは難しいことがあります。


よくある課題の背景

研究者や研究部門の方からよく伺う課題には、以下のようなものがあります。

  • 市販品では対応できない仕様
     例:特殊なセンサーとの接続、通常製品にはない帯域・分解能・応答速度
  • 試作に対応してくれる業者が見つからない
     大手メーカーは量産前提の開発が多く、少量試作は断られることがある
  • 自部門内に電子回路の専門技術者がいない
     研究者自身は測定・実験に集中したいが、回路設計を担える人材が不足している
  • 必要な装置が「一点もの」である
     研究段階のため、大手メーカに量産依頼して導入する規模ではない

こうした理由から、「欲しい電子機器が手に入らず研究が前に進まない」という問題が生じています。


解決の方向性

研究現場の特殊なニーズに応えるためには、次のようなアプローチが有効です。

要件を詳細に整理する

研究目的に照らして、最低限必要な仕様を明確化します。

既製品の活用可否を検討する

既製品を組み合わせる方が安価に済む場合もあれば、逆にオーバースペックのため特注の方が適切かつ低コストとなる場合もあります。

専門業者の選定

電子機器の特注に対応できる専門業者を選びます。小規模開発であれば中小業者が中心になりますが、得意分野は業者ごとに異なります。いくつかの業者に簡易仕様を提示して問い合わせを行い、応答を比較検討するのが有効です。ただし、中には断っても繰り返し営業をかけてくるような業者もあるため、慎重に見極めることが大切です。

見積・発注のポイント

見積依頼の際は、仕様をできるだけ明確かつ必要最小限に絞ることをお勧めします。仕様があいまいだと業者側は追加要件のリスクを見込み、見積が高額になることがあります。逆に必須でない仕様まで細かく指定するとコスト増につながるため、任せられる部分はお任せするのが合理的です。


ベクター電子設計事務所ができること

当事務所では、研究機関や研究部門向けに以下の支援を行っています。

  • 研究用計測・制御機器の新規設計・試作
     市販品では対応できない仕様のオーダーメイド機器を設計・製作。
  • センサー・アクチュエータとのインターフェース回路開発
     温度・加速度・荷重・光など、多様なセンサーに対応した回路を開発。
  • 高速・高精度回路の設計
     研究ニーズに応じた帯域、応答時間、分解能を満たす回路を構築。
  • 研究者との共同検討
     研究目的を理解したうえで、装置仕様に落とし込む支援。

対象技術範囲は、100MHz以下の電子回路、および関連するファームウェア、ソフトウェア、論理回路です。


当事務所をご利用いただくメリット

  • 幅広い経験分野
     デジタル・アナログ・ソフトウェアまで対応可能で、案件によってはワンストップで完結できます。
  • 少量・一点もの試作にも対応
     量産前提ではなく、研究専用のプロトタイプを入手可能です。
  • 柔軟な対応力
     個人事業ならではの機動力で、社内承認待ちなど余計な時間が不要です。
  • 安心して相談できる体制
     一度お問い合わせいただいても、過度な営業は行いません。安心してご連絡いただけます。

また、ご所属の研究所や企業の規定上、個人事業者への直接発注が難しい場合でも、当事務所と連携する法人を通じてご依頼いただくことが可能です。


まとめ

研究アイデアを実際の装置に落とし込むことは容易ではありません。
しかし、適切な技術支援を得ることで「実験を可能にする独自の電子機器」を手にすることができます。

👉 市販品では実現できない研究用機器を必要としている方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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